修辞技法

『漸層法』の解説とその例

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wikipediaの解説(引用)

➀ 同じ事柄に対して、徐々に表現を強めていく手法。

➁ 言葉・句・節が順番に重要性を増すよう配列された修辞技法のこと。

  • 非常に強い揺れだった。部屋はすっかり散らかってしまった。扉が開かないので、窓をこじ開けて外に出てみたら思わず息を呑んだ。周りの家という家が軒並み、押しつぶされているのだ。心を落ち着かせ、よく見ると、遠方に濛々と煙が立ち込めているではないか。

初めは自分の家のことだけと思っていたところが、だんだんと被害の実態と規模の大きさを目の当たりにしていく様を相手に訴える仕組みになっている

オリジナル例

  • はじめは、どこにでもいるような、少し内気な若者2人が始めた会社だった。しかし、年々仕事が増え、いつしか従業員は10人、20人と増えていき、そして創立から30年経った現在、『マルトミ株式会社』は医薬品業界の最先端を走る、国際企業へと成長を遂げた。

  • 3人の若者が、混沌とした世を正すため、立ち上がった。やがて彼らの志に賛同する各地の人々たちが加わり、その数はわずか二年で、10万に到達した。そして現在、一非政府組織に過ぎなかった劉備軍は現在、1つの大国家となっており、大陸の約3分の一を領土として治めている。

  • 『50パワー』もっているサイボーグが、改造された。すると『一億パワー』に上昇し、敵がいなくなったと思われたが、敵に魔術を加えられ、スタートよりもマイナスの『2パワー』へと減衰した。

  • とある大名が、80万という大軍を手に入れた。しかし先の戦いでの大敗をきっかけにその数は半減し、さらに次の戦でも10万の兵を失ってしまった彼は現在、小さな地域のみを治める弱小武将へと成り下がっている。

  • 結婚したその年、その夫婦のあいだに初めての子供ができた。2年経過すると、合計で三人の子供が生まれ、7年目には、6人もの子供が二人のマンションに住んでいた。

  • 最初の年は、10個のプレゼントだった。だが翌年には倍の20個に増え、そして3年目である今年は、なんと100個ものプレゼントが自宅に届き、家の中を占拠してしまった。

  • 最初はしがない中古アパートを一件借りて不動産業を始めたが、うまく軌道に乗り、稼いだ資金でマンションを購入。これも面白いぐらいに成功し、今では5件ものマンションを運営する大家主となった。

  • 最初は近所に住むただの幼馴染同士だった。しかし時が経ち思春期になると二人の気持ちに変化が起こり、少しずつ二人の関係が特別な色彩を帯びるようになった。そして今は恋人として一緒に暮らしている。

  • 二人はロミオとジュリエットのような大恋愛を経て、結婚した。仲睦まじい二人は周囲から見ても、まさに理想のカップルとして写った。しかし暮らし始めて3年後、徐々に恋愛の熱が冷め始め、ある時夫の浮気が発覚する。それを機に2人の関係に亀裂が入り始める。怒りの収まらない妻は、腹いせに自分も浮気してみせる。そして最終的には妻が夫を殺すという悲劇愛として幕を閉じだ。

  • 最初は都市部の小さなシネマシアター3つで上映された低予算映画だったが、見に来たお客から徐々に口コミが広がっていき、上映するシアターの数が急遽30館に拡大。最終的に一か月だった上映期間は前代未聞の一年間に伸び、興行収入は当初の目標である10億をゆうに超え、最終的には20億という記録を叩き出した。

  • 恐慌が起こったことによって、それまで犯罪の最も少ない街として有名だった【ウォール街】の治安は一変した。恐慌の到来から約一か月目で、傷害事件が300件と今までの30倍ほどに倍増し、先月十一月には1000件以上にのぼり、たちまち犯罪都市に変容してしまった。

  • 腹の上に乗っかってきた。彼の能力は重力をあやつること。乗った瞬間、彼は自分の体重を1・5倍にした。彼は居場所を吐くように強要したが、ターゲットがそれを拒否したため、さらに倍の300キロに体重を増大させた。ターゲットが吐血する。

  • 彼はターゲットの苦しむ表情を見て、さらに二倍の600キロに体重を増大させた。すると床に亀裂が走った。

  • 最初はちっぽけな惑星に誕生した人類だったが、誕生から2億年。ついに母なる星から飛びたった。生存範囲は拡大し、オールトの雲を脱し、太陽系をついに飛び出した。

  • 最初は買ったばかりだったので持ち主も安全運転を心がけていた。しかし数年も過ぎるとすっかり運転にも慣れ、それなりにスピードを出すようになり、5年後には200キロもの猛スピードを出して道路を走るようになった。

  • 彼は最初、教師を目指した。免許を取り、無事に教員職につき、たった数年で異例の教頭になる。そして校長職目前かと言われた彼だったが、結局そうはならず、現在の彼はなんとホームレスになっている。

  • 彼はただの農民だった。しかしある時、新しい品種を開発したことで地主に認められ、彼は大きな土地をもらう。その土地を使ってこれまた成功、新たな作物を作り儲ける。そして最後には大地主になった彼だったが、最終的に彼が求めたのは権威よりも平穏だった。

  • 最初は、ほんの小さな村から始まった伝染病だった。しかしその感染力はすさまじく、わずか一週間で大陸全土に広がり、やがて、世界中に蔓延した。

  • ホームレスが百円玉を拾ったホームレスはそれでジュースを買うが、道端で倒れている少女を不憫に思い、ジュースを与えた。すると数日後、助けた少女の父親のことなるものが訪ねてきて、彼は十万円の謝礼を貰った。彼はそれで宝くじを買った。すると何と、百万円当たった。彼はそれを元手に株をやる。それでなんと大穴をあて、一千万を手にする。そして最終的に彼はマンションを購入し、今では大家をやっている。まさに現実で起きたわらしべ長者だ。

  • 最初は手のひらの上にしか作れなかった光だったが、鍛錬を重ねるうちに、片腕全体にエネルギーを纏えるようになり、最終的には全身を覆うことができるようになった。

  • 銀河団は銀河によって構成されている。その銀河を構成しているのは太陽などの恒星だ。さらにその恒星の周りを回るのが惑星。その惑星の周りを回るのが衛星だ。そんなちっぽけな一衛星の上で、その少年は生まれた。

  • 彼女が魔法によって生やした根っこは、周囲の土へと根を伸ばしていく。さらにその根は勢いを知らず、どんどんとその領域を強め、最終的には大陸全土へと拡大して行った。

  • 無人島に20人の男女が流れ着いた。彼らは救援の兆しが絶望的だと知ると、そこで暮らすことを決めた。彼らは仲良く暮らし、約10年をかけて、その人口を倍の50に増やした。最終的には30年で120人に増えた。彼らの発展は順調だと思われた。だがつい一ヶ月前に蔓延し始めた感染症によって、みるみるうちにその人口は減っていき、わずか二週間で、半分の60に。さらに次の一週間では30に減っていった。とうとう1年後に生き残ったのは、わずか男女ふたりだけだった。物語はそこから始まる。

  • ウイルスは山火事のように蔓延したまずはアメリカ全土に―――そして世界中に―――

  • レストランで死体の話を始めると、隣の席のマダムがコホンと咳をした。しばらくした後ゲロの話を始めると、マダムはさっきよりも不快そうに、大きな咳をした。だが容赦なく今度は虫の話を始めると、マダムは耐えかねてレストランから去ってしまった。

  • 世界192カ国。そのうちの一つ、日本。その中にある47都道府県のうちの一つ、大阪。その大阪の中でもかなりの田舎町。彼の起源ルーツは、そんな片田舎から始まる。

  • 口に入れると最初は塩味だけだった。だが数秒後、舌上にわずかな痛みを感じ始める。さらにその2秒後、猛烈な辛さの大波が、口内を、そして全身を蹂躙し始めた。

  • 最初は少しピリリとした辛味のある程度の唐辛子だった。だが、一人の農家が品種改良をし始め、すぐに倍の辛さのある唐辛子品種が作られた。すると、そんな噂を聞いた他の唐辛子農家たちも品種改良を始め、ついに辛さの探求があらゆる場所で行われるようになった。そしてその探求の末、現在では最初の唐辛子の約781倍の辛さを持つ唐辛子の開発に成功している。

  • はじめは、何てことのない小雨だった。それが次第に大粒となり、土砂降りになった。そしてその雨は、一週間止むことなく降り続いた。

  • 大地全てを流してしまうような大豪雨が発生した。いくつつもの街が水没し、多くの山が緩み崩れた。次第に雨足は緩んで行き、二日後には小雨にまで落ち着いた。そして昨日には、晴れやかな空が広がった。

  • 最初はまだ朝方ということもあり、気温は20度未満だった。しかし、日が昇るにつれて少しずつ、少しずつその気温は上昇し、日が真上に登る正午には、地上の気温は40度に達した。

  • ルーツは一つのひらめきからだった。彼はそのひらめきを神からの天啓だと直感し、作業に取り掛かると、すぐに成果を出した。彼はその発明で手に入れた資金によって、会社を設立。そしてわずか10年で、世界有数の企業へと登り詰めた。それが現在の「オズ社」のはじまりであったことを知る者は、そこまで多くはないだろう。

  • ある時、閑静な住宅地の通りで、一人の少女の死体が発見された。その次の日には、住宅地通りのある隣町でも、同様の手口で少女が殺された。街の人々は恐怖に震え上がったが、そのまま殺人事件は連続して行われ、最終的には21件へと拡大した。

  • ロケットのモーターが回り始めた。やがてエンジンが点火すると、少しずつ空へと飛びあがる。そして大きなエンジンをあげて、ものすごいスピードで飛び出していった。

  • 生まれはスラムの、見すぼらしい少女だった。成長した彼女は、屋敷の使用人として働き始める。そこで主人の一人息子と結婚する。資産を引き継いだ彼女はその資金でファッション業を始める。大成功を収めた彼女は、自分の外見にも多くの手間と金をかけ、最終的に、世界に数人級と言われる美人へと変貌を遂げた。

  • 最初にほじくると、出てきたのは指先に乗る程度の鼻くそだった。まだむずむずするので、指をつっこむと、今度は先の三倍ぐらいの鼻くそが出てきた。さらにむずむずしてきたので、思い切り鼻穴に指を入れた。すると最後には小石のような、鼻孔の直径と矛盾した大きさの鼻くそが出てきた。
  • 一口飲むと、何も味のしない水だった。だがもう一度呷ると、不思議なことにレモンの味がした。驚いた私は、もう一度呷った。すると今度は上品な紅茶葉香る、ミルクティーとなった。

  • 穏やかな青空が拡がっていた。しかし次第に、怪しげな雲が空を覆い始めた。やがて切れ切れの雲たちは寄り集まり、辺りは暗くなる。たがを切ったように、土砂降りが降り始めた。

  • 窓から飛び込んできた直径3センチ程度の榴弾。ぷしっ。球体上部から煙が吹き出た。内部に凝縮されていた気体が吹き出していく。最終的には室内全体に怪しい煙が充満した。

  • 敵は完璧な甲冑を身にまとっていた。戦いが始まってわずか3分、ヤイバが敵の手甲をかすめ、表面をえぐった。機を見た俺は、さらに胴部の鎧をかすめ切る。そして最後には、敵の頭を兜ごと両断した。

  • はじめてエアコンをリビングに設置した。その快適さにハマってしまい、翌年には他の2つの部屋にも設置した。翌々年にはもう一つ。結局、贅沢に慣れてしまった我が一家は、最終的に全室にエアコンを設置することになった。

  • はじめに富豪は豪邸を買った。しかしそれにも飽き足らず、今度は市を全て買った。だがさらによく深くなった彼は、最終的に国1つを買収した。

  • 一年の時はプリント10枚だった。だが2年目になると、その枚数は倍近くに増え、さらにその翌年にはプリントの他にドリルまでついてきた。

  • ピクセルの画素数で見てみるが、四角が並んでいるだけだ。少し縮小すると、ようやく形が見えたが、チリチリが目立つし細部がぼやけていた。もっと縮小してみる。こんどは鮮明に被写体の顔が見えた。

  • 男が森の中を走っていた。背後の草むらがガサガサと揺れた。銃を構えると出てきたのは一人の男だった。次に、すべての方位草むらがざわざわと揺れた。荒々しい足音ともに現れたのは武装を固めた屈強な男たちだった。

  • 遠く彼方から雷音が聞こえて来た。外に出る。すると、雨が降り始めた。再び雷光が走り、数秒遅れて雷音がした。数秒後、また光が瞬いた。かなり激しい音が聞こえて来た。地響きとともに、100メートルぐらい近くに落雷が落ちた。

  • よく狙い、弓矢を放った。 風の影響もあってか、中央から半分ほど外れた50の的に命中した。ーーー二矢目を放つ。今度はすこし近くなった70に命中。そして最後、全神経を指先に集中した彼女は、鷹のような目つきで的を睨み、放った。それはきれいに的の枠外に飛んでいった。

  • 予言があった。それは真に現実で起こり、一節目の落雷がおととい起きた。そして昨日は第二節の地震が起きた。そして今夜、大噴火が起こるらしい。そして今、地鳴りが始まりだした。

  • ありのような小さな芽が、土の上に生まれた。それはしだいに大きくなり、やがて数日後には大人の人間の膝ぐらいの高さになった。成長速度はさらに加速していき、数週間後には、主人の身長をこすほどの高さになり、最終的には上に昇れば、街全てを見渡せてしまえるほどの大樹へと成長した。 

  • お化け屋敷のなかを進んでいくと、鬼たちが登場した。さらに進むと、首の長い女や喋る赤ちゃんなどがでてくる。そして最後には巨大な女が出てきた。

  • 夜空を見上げていた。きらり、一つの星が光った。その星の横にきらりきらりと、次々星が現れ始めた。さらに星は鼠算式に増えていった。

  • コタツの中は、冷たい空気が充満していた。だが、しだいにじんわりと熱くなってきた。やがて数分後には、温かさに包まれていた。

  • 彼は山に一人で住んでいる狩人だ。山に出かけると、さっそくたけのこを見つけた。たけのこを掘り採ると、その下に硬い感触。出てきたのは木の箱。中にはたんまりと金貨が入っていた。だごまだ下に何かあるようだった。掘り進めると、そこは地下鉱脈に繋がっていた。地下鉱脈を少し触ると、温かな液体が湧き出てきた。ブシューツ!温泉が湧き出した。

  • 中身の分からないふりかけ袋を振るった。一振り目。色は黄色と緑。ご飯と一緒に頬張る。のりたま味だ。二振り目。なんの手品か、いろがかわり赤色と緑の粉末が出てきた。鮭だ。三振り目。茶色と黒。これは僕の大好きな照り焼き味じゃないか・・。

  • 謎の宅配物が届いた。中にはレトルト食品が入っていた。その下にはジャガイモが入っていた。そして一番下には米袋が入っていた。

  • 100万円が手に入った。手始めにボロボロの衣服を新調した。続いて、銭湯に入りすっきりとした。そして綺麗さっぱりな体になったので、今度は胃をレストランで満たした。

  • もくもくっ・・ボンネットの中から煙が出てきた。ボスン!、エンジンが停止した。ガタン!続けざまにタイヤが外れた。

  • うう・・隣部屋で寝ている彼女のうめき声が聞こえてくる。うううう〜、 今度ははっきりとしたうめき声が聞こえてくる。そのさらに2分後、ううう!!今度はうめき声ではなく、叫び声のような声が聞こえてきた。

  • さらに服用を続けると、継続3日目にして、彼は自力で歩けるまでに回復した。そして一週間が過ぎる頃には、残りの腫瘍は、指先や足首などの末端部を残すのみとなり、その2日後になる頃には、まるで腫瘍があったのが嘘であったかのように、腫瘍は姿を消した。

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